「二種類の修復士」
インチキ物書きによる、古ネタをアップサイクる短めエッセイ。
面白い事に世の中には二種類の修復士がいる。
勿論、一字違いの修道士の事ではない。
黒目がちのつぶらな瞳にあーかんべーをキメる、なんちゃってキリストを描く前衛的修復士や
長年の垢落とした風呂上りでちょっとのぼせ気味、ついでにウルトラマンティストの配色ぶち込みました系の、ギャグ好きなりすまし修復士だっている。
「やば、言い過ぎちゃった。業界から干される」
今の聞かなかったことに
日光だって負けてないから!
開き直りが眩しい。
せめて見なかったことにできまいか?
残像が・・・。
Mrビーンだって負けてない。
二種とは言うまでもなく、シリアスとコミカルの修復士。
コミカルな修復士、笑いのセンスはあるけど程々に
見る人を怒らせるので
「雨の日」
打ちひしがれた身に容赦なく叩きつける雨。
昨今、気候変動は甚だしい。
余計に雨が強く感じる。
追い討ちをかけるのは、そんな歩行者に泥水をぶちまけて走り抜ける車。
皆さん、子供の頃から思ったことは無いだろうか?
無神経に泥水を掛ける車を
雨の日こそ、社会、世の中の縮図が見える。
どんなに日本が素晴らしい国だと言っても他の国と変わらぬレベルである。
残念ながら8割は泥水掛けたがりの輩。
あとの2割は徐行して歩行者に配慮して運転する。
それが実感だ。
私は最近まで車を運転する側だったが最近車を廃車した。
昔、自転車通勤が長かったので雨の日は歩行者に配慮して減速して走った。
泥水撥ねた側は言い訳は出来るだろう。
歩行者が見えなかったから。→ 残念ながら人身事故予備軍。
わかっていたが、それが?の開き直り→ 当然自己中の輩。
これが8割の世の中だとしたら
車を降りたことで見えてきた世界。
私は再び車を購入しドライバーとなる。
やはり、2割のドライバーを目指す。
思いやりこそ世の中の本質だと思う。
「自動運転車両の逆走事故に思うこと」
この車両には運転士がおらず、コンピューターで自動運転する。運行を制御するATOの地上側装置の記録には異常がないことが分かっている。
さもありなん。
コンピューターシステムの利便性に盲目となり、疑念を抱く事を忘れ身を委ねる。
ともすれば、職場においても、人よりコンピューターが正しいと言いきる者もいる。
本当にシステムを100%信用できるのか?
道具に支配されたコンピューター至上主義の現代において
停電などの電源喪失、バグやエラーのシステム障害、ウィルス、クラッキング、経年劣化などの本体の故障、質の悪いのは担当者の誤入力も依然としてあり、システムが正常に動作しない原因は枚挙に暇がない。
それでもまだ100%信用するのか?
僅かな疑惑が正しいこともある。
決してコンピューターによるシステムを全否定するものではない。
どこかで疑うこと。
盲信を止めてもらいたいというのが今回のお話である。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」 んなぁわけない!
「下手な鉄砲、数撃っているうちは当たらない」が自論です。
私は射撃が下手でした。
救いようが無いくらい下手くそでした。
実戦となったら、己はおろか味方の命までも危険に晒すことに・・・。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」
このことわざをポジティブに解釈すると、一度の失敗で諦めず、長く続けてやっていくことの大切さを訴えたかったのかもしれません。しかし、一方では努力や改善をせず、まぐれ当りを期待させるようなものですから、嫌悪感を抱かせることわざです。
射撃が下手なうちは何発撃とうが信じられない程ターゲットをよけていくもので、このことわざは、本当の射撃を知らない素人の理屈だと思いますし、一般社会に置き換えても現実は甘くはありません。
世の中舐めている!
「数撃ちゃ」の部分は機会を担保した表現ですが、明日をも知れない人生の中で、人はどれだけ機会が与えられているというのでしょうか?
そんな中で目標に到達することが出来るのでしょうか?
まぐれ当たりの運頼みに期待するより、量より質、頻度より確度を追求しないと人生の終着点までに間に合わなくなるでしょう。
ある程度経験を積み重ねた練度の高い人ならば、如何に質や確度を上げて効率良く目標に近づくかを実践しています。
ではどうすれば当たるのか?
至極当たり前、月並みな表現ですが
ズバリ上手くなることです。
具体的には、収集した情報をもとに分析しアイデアを組立、実践。更に改善していくこの繰り返しです。
この論の信憑性を高くするためには私の実体験を語らないといけません。
私は、元陸上自衛隊の普通科連隊、ナンバー中隊の小銃小隊で機関銃手。
機関銃手の役割は、敵の動きを封じるため弾幕を張る(幕を張るかの如く数多くの弾丸を撃つ)こと。その選抜には62式機関銃(約10.7㎏)ではなく64式自動小銃(約4,3kg)が使われました。
先程も言いましたが、入隊当初は射撃が凄く下手でした。
自動小銃は単発と連発で撃てますが、言われた通りにやっても単発も連発もターゲットから外れてしまいました。何回射場に行っても状況は変わらず、全くセンスが無いと思いました。
「下手な鉄砲数撃っても当たらない」こんな状況を変えようと色々考えながら試しました。
通常、射撃では照星と照門を合わせて、弾道がブレないよう4秒の呼吸停止やガク引き(引き金を急激に引くこと)を防ぎ、反動に負けないよう適度に身体に力を入れるのが定石ですが、私はガク引き防止以外を無視することにし、呼吸しっ放し、身体の力を抜き、照星と照門を合わせた状態で、水平に小さな円を描くように銃身を揺らしながら射撃する方法を編み出しました。(狙撃手からみれば邪道だと思う)↓
上と下のGIF、どちらが200m先のターゲットに当たると思いますか?
この方法で命中率は飛躍的に向上し、中隊の射撃では上位に入るようになり、時々優勝もしました。
そして、連発の適性も加わり、小兵である私の身体に不釣り合いな62式機関銃(約10.7㎏)の機関銃手に抜擢されました。
この機関銃、部品数が多い為、分解・結合に手間が掛り、整備性の悪く故障の多い、連射時の命中率の悪さ、不発・給弾不良・暴発、引き金を引くのを止めても発砲が止まらない自然撃発などの作動不良、そして重量(日米合同演習では、米兵は機関銃の重さに驚きを隠さなかった)「言うこと聞かん銃」、「62式単発機関銃」、「無い方がましンガン」と揶揄された迷銃で、64式自動小銃より弾数撃っても簡単には当たらないシロモノでした。
しかし、この暴れ馬の如き迷銃も御することが出来た私には、射撃の神様は優しく微笑み、師団の射撃大会の選抜メンバーとなって、毎日100発近く撃つことができました。一般隊員より多くの弾数を撃つことが出来た関係で、64式自動小銃が妬むほどの私の愛銃となりました。
私は、一般社会で企画や営業畑を歩んできましたが、量より質、頻度より確度は間違い無いと確信しています。
本質を見失った風潮に異を唱えたい。
皆様も「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」教を信じないで早く目標に到達してください。
「8,167 kmの距離を描く幻のイーゼル」
2年前の丁度今頃。
とある若い女性の油絵を描いた。
彼女は大学の講師。
父親とは死別し、同じく大学の講師だった母親と二人暮らし。
そして、猫一匹がその中にいた。
文章では「とある」と書き出したが、油彩では「えにし」を感じて描いた。
私は事業と共に家庭に失敗し、妻と娘を失っていた。
やり直したくても元に戻らぬ人生。
心の隙間を埋めようと互いに求め合った。
彼女は、ウクライナの武士ともいうべきコサックの子孫。
ロシア側の砲火と職場のストレスに晒されながらバスで通勤していた。
戦況はニュースより彼女のLINEの方が詳しかった。
世界情勢の把握など、利害関係が無ければこんなレベルなのかもしれないと感じた。
戦況は悪化の一途をたどり、日増しに彼女の身を案じるようになっていた。
そして、口実を見つけては来日を促すようになっていた。
夏の花火大会に誘った。
後ろ姿に何故か魅かれ夢中で手帳にラフを描いた。
今にして思えばそれが虫の知らせだったのかもしれない。
バス停で彼女はロシア側の砲撃で被弾した。
彼女の声よりやや低音で拙い日本語の留守電があった。
数か月後
私はモデルを失ったラフに命を吹き込みたくなった。
安物の油彩セットを通販で取り寄せた。
間抜けなことにイーゼルは買っていなかった。
床にキャンバスを直置きし、一心不乱に描いた。
油絵の具は、涙で薄まることもなく素直に発色していた。
弔いになるとは思わなかったが、絵が完成後、私の心に虹がかかった。
そんな気がした。
自作サバイバルグッズ 「新年を迎えたけれど」
家を! 高い酒瓶を! 仕事の穴を! あけましておめでとうございます!
皆様は大丈夫でしょうか?
休み明けは色々気が気ではありませんよね。
「余計なお世話だ!折角の正月気分を台無しにしてヽ(#`Д´)ノ!」
そうですよね。お怒りはごもっともです。不安を煽ってすみません<(_ _)>
ここ数年、正月はおろか、ゴールデンウィーク、盆休みなども無く、代休って何?それって食べもの?の抵触スレスレ年休のサービス業に自ら跳び込んた身ではあるのですが、昨年から、とあるITの仕事を本業とした関係で、12月29日~1月6日までの貴重な大型連休を取得することでき、少々舞い上がっております。
平にご容赦を
「これだけの休みを数か月前に知っていたなら・・・。海外旅行行けたのに」
連休の有難みは数年で非常に大きなものとなり、そして、妄想は果てしなく膨らんでいたのでしたが、結局のところ現実は連休を持て余し、仕方なく、ぐうたら ダラダラの寝正月を決めこみました。
しかし、それはあまりに長過ぎたようです。
1月2日になった途端、何故か突然、肺に流れ込む水の様に、心は焦燥感でいっぱいになりました。
そして、それはやがて虚無感と相まって、休み明け直前に患うブルーマンデー症候群へと変化するんです。たぶん
これは今に始まったことではありません。子供の頃からそうでした。
そうはさせじ!
連休を何か有意義なものにと、心は充足感、達成感を渇望し、急拵えで最後の悪足掻きするのですが今まで上手くいったためしがありません。
「今年は違うぞ。頑張れ自分!」
毎年思うことです。
私の場合、充足感、達成感を得るには、創作が手っ取り早いのです。
「さて、今日は何を作ろうか・・・。」
冷蔵庫の余り物でメニューを考える様に、身近にある廃材、端材、不要品を見回しました。
◯年明け早々、地震のニュースが目に飛び込んできました。
災害大国 日本。
そう、いつどこで何が起きても不思議ではないのです。
皆さんは災害の備えはしていますか?
「今回は防災、減災、サバイバル系だな。以前、古い消防服の生地を使って防災リュックを製作したことがあったが、実際のところ持ち出せる余裕はあるのだろうか?」
その疑問から新たに製作してみました。
記事はこちらから↓
「道化の涙に映る虹」第14話
前話
貴男が事務所からフロントに戻ろうとした時、奈緒美が小走りで近づき
「ねぇ知ってる?」
小声で聞いてきた。
「何が?」
貴男が尋ねると、奈緒美が耳打ちし
「沙織のこと聞いた?」
「商品コードの登録ミスの件でしょ?知ってるよ」
「そうじゃなくて、その先」
「どういうこと?」
「沙織辞めるんだって」
「えーっ、クビということ?」
「違うよ。知らなかったんだね。自分から退職願出したんだよ」
「…」
酸素不足で脳の血流が悪くなった様な感覚に襲われた。
彼女は何で教えてくれなかったのか、貴男の頭の中でリフレインしていたが
「たぶん、慰留されると思って貴男さんに伝えなかったんだね」
奈緒美が疑問を解消してくれた。
「そうかなぁ」
「うん。きっとそうだよ。彼女の性格だと…」
「そうか…」
いつしか出勤の高揚感の源となっていた沙織の笑顔、それがプライベートでも見れないような気がし、急に寂しくなった。
職場で何回か沙織に話し掛けようとしたが、タイミングが合わなかった。
「僕に話す義理は無いけど教えて欲しかったよ」
貴男はトイレの中からメール送信した。
貴男は、車での帰途、胸ポケットのバイブでメール着信を知り、広めの路肩に車を停車し、急いでスマホを取り出した。
「こんばんは 営業部から移動になった時から、辞めるきっかけが欲しかったような気がします。今回の件は丁度良かった(笑)」
「でも本当にそれで良いの?」
「うん。スッキリしました」
「そうか、残念だけどしょうがないね。本音を言うと寂しいよ」
「会えないわけじゃないから」
「そうだよね。いこうねシーカヤック」
「はい(^-^)」
第15話につづく
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