海辺のアップサイクリスト

価値観の見直しによって生活を好循環させること

「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」 んなぁわけない!

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我が愛銃「62式機関銃」

「下手な鉄砲、数撃っているうちは当たらない」が自論です。

私は射撃が下手でした。

救いようが無いくらい下手くそでした。

実戦となったら、己はおろか味方の命までも危険に晒すことに・・・。

 

「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」

このことわざをポジティブに解釈すると、一度の失敗で諦めず、長く続けてやっていくことの大切さを訴えたかったのかもしれません。しかし、一方では努力や改善をせず、まぐれ当りを期待させるようなものですから、嫌悪感を抱かせることわざです。

射撃が下手なうちは何発撃とうが信じられない程ターゲットをよけていくもので、このことわざは、本当の射撃を知らない素人の理屈だと思いますし、一般社会に置き換えても現実は甘くはありません。

世の中舐めている!

「数撃ちゃ」の部分は機会を担保した表現ですが、明日をも知れない人生の中で、人はどれだけ機会が与えられているというのでしょうか?
そんな中で目標に到達することが出来るのでしょうか?

まぐれ当たりの運頼みに期待するより、量より質、頻度より確度を追求しないと人生の終着点までに間に合わなくなるでしょう。
ある程度経験を積み重ねた練度の高い人ならば、如何に質や確度を上げて効率良く目標に近づくかを実践しています。


ではどうすれば当たるのか?

至極当たり前、月並みな表現ですが

ズバリ上手くなることです。


具体的には、収集した情報をもとに分析しアイデアを組立、実践。更に改善していくこの繰り返しです。

この論の信憑性を高くするためには私の実体験を語らないといけません。

私は、元陸上自衛隊普通科連隊、ナンバー中隊の小銃小隊で機関銃手。

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機関銃手の役割は、敵の動きを封じるため弾幕を張る(幕を張るかの如く数多くの弾丸を撃つ)こと。その選抜には62式機関銃(約10.7㎏)ではなく64式自動小銃(約4,3kg)が使われました。

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64式自動小銃

先程も言いましたが、入隊当初は射撃が凄く下手でした。
自動小銃は単発と連発で撃てますが、言われた通りにやっても単発も連発もターゲットから外れてしまいました。何回射場に行っても状況は変わらず、全くセンスが無いと思いました。
「下手な鉄砲数撃っても当たらない」こんな状況を変えようと色々考えながら試しました。

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銃身がほんの少し動いただけで200m先にあるターゲットには当たらない。

通常、射撃では照星と照門を合わせて、弾道がブレないよう4秒の呼吸停止やガク引き(引き金を急激に引くこと)を防ぎ、反動に負けないよう適度に身体に力を入れるのが定石ですが、私はガク引き防止以外を無視することにし、呼吸しっ放し、身体の力を抜き、照星と照門を合わせた状態で、水平に小さな円を描くように銃身を揺らしながら射撃する方法を編み出しました。(狙撃手からみれば邪道だと思う)↓

 

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弾道はほぼ水平なので、200m先のターゲットでも描いた小さな円程度しかズレを生じない。

上と下のGIF、どちらが200m先のターゲットに当たると思いますか?

この方法で命中率は飛躍的に向上し、中隊の射撃では上位に入るようになり、時々優勝もしました。

そして、連発の適性も加わり、小兵である私の身体に不釣り合いな62式機関銃(約10.7㎏)の機関銃手に抜擢されました。


この機関銃、部品数が多い為、分解・結合に手間が掛り、整備性の悪く故障の多い、連射時の命中率の悪さ、不発・給弾不良・暴発、引き金を引くのを止めても発砲が止まらない自然撃発などの作動不良、そして重量(日米合同演習では、米兵は機関銃の重さに驚きを隠さなかった)「言うこと聞かん銃」、「62式単発機関銃」、「無い方がましンガン」と揶揄された迷銃で、64式自動小銃より弾数撃っても簡単には当たらないシロモノでした。
しかし、この暴れ馬の如き迷銃も御することが出来た私には、射撃の神様は優しく微笑み、師団の射撃大会の選抜メンバーとなって、毎日100発近く撃つことができました。一般隊員より多くの弾数を撃つことが出来た関係で、64式自動小銃が妬むほどの私の愛銃となりました。

私は、一般社会で企画や営業畑を歩んできましたが、量より質、頻度より確度は間違い無いと確信しています。

本質を見失った風潮に異を唱えたい。

皆様も「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」教を信じないで早く目標に到達してください。