海辺のアップサイクリスト

アップサイクルは、ライフスタイルの見直しによって不要なモノを断捨離、あるいは、デザイン等の付加価値を施してリメイクし、新たなモノに昇華させて生活を向上させることを提案します。

「道化の涙に映る虹」第10話

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男と女など、所詮寂しい動物で、シチュエーションさえ整えばどうにでもなる生き物。

 

互いに望む形をリアルタイムで探っている。

 

男は失敗を恐れ、女はリカバリーを冷静に、いや、ムードで見ている。

 

ラ・メルの窓辺にある筈の絶景のかわりに、ガラスに反射する沙織の顔を意識しながら、沙織の話題に相槌を打ち、時にジョークをまぜながら、どうにかこうにか雰囲気を戻した。

 

内心、営業の仕事の様だと思っていたが今に始まったことではない。よくよく考えれば高校生の頃からやっていたこと、そう思った途端、貴男は吹き出した。

 

「何?どうしたの?」キョトンとした沙織。

 

「ゴメン。さっきの僕の間抜けなゴルフを思い出したんだ。アハハ。今度は僕の趣味に合わせてもらうよ。地元だから泳げるでしょう?海潜らない?」

 

「素潜り?ダイビング?」

 

「うん、スキューバ

 

「ゴメン。やったことない。苦手」

 

「えっ、ホント?」
海の傍で生活していれば当然という気持ちで投げ掛けた質問に想定外な答え、次の質問に窮した貴男だが

 

「じゃあシーカヤックやろう」と畳み掛けた。

 

「シーカヤック?」

 

「うん、シーカヤック

 

「何それ」

 

「知らない?カヌーみたいなので海に出るやつだよ」

 

「あーあれ」

 

「うん、そう。僕が漕ぐから」疲れる等、ネガティブな情報を与えないように配慮した。

 

「うん。いいですよ」

 

 

第11話につづく

 

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