「伊豆の山の幸」
伊豆は海の幸ばかり注目されるが実は山の幸も豊富。
味覚を刺激する。
伊豆の山の幸なら猪鹿蝶のジビエである。
さすがに蝶は無いが、代わりにズガニが入る。
遠方からの営業の帰り、近道で峠を通るとヒャッとすることが多々ある。
暗闇のヘッドライトに突如浮かび上がる彼らに急ブレーキを踏む。
「道路の真ん中になんで人が?」
人か動物かの区別はつき辛い。
目を凝らしてようやく鹿だと気付く。
クラクションを鳴らしても、おっとりした彼らには通じない。
動じないのか、鈍感なのか
「とにかく撥ねなくて良かった」
自らの手で命を奪うことが無かった。車に損傷が無かった。
無垢な瞳に手を合わせそう安堵した。
東京では全く車を運転していなかったペーパードライバー歴何十年。
伊豆に来て4年、彼らのお蔭で急な飛び出しへの反応が早くなった。
再びゴールドの輝きを取り戻した免許証。
メダリストのようにかじることも、味わうこともできないが、代わりに鹿や猪を味わうことは厭わない。
通勤途上、他の車に撥ねられた鹿や猪の亡骸に、少しブルーな気持ちを引き摺るが、そこは人。
牛や豚、鶏と同様に後日しっかり頂ける。
鹿肉は血の気が多い為、熱すると臭みが出る。だから、赤ワインに漬け込んだり、ニンンクで臭みを取る。かなり美味い肉となる。
猪も鮮度が良ければ豚肉よりも美味い。
命は失われ、食して命は誕生する。
そう。
私は、料理を前に「頂きます」をする時、食物連鎖の頂点、「頂きにいさせてもらってます」との感謝をこめて
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