「証拠~♪ 証拠~♪ 証拠、証拠、証拠、浅はかな証拠♬~」
「信ずるものは救われる。ではなく、信ずるものを見誤れば騙される」という、入信したら大怪我では済まされない、愚かで救い難い、痛い宗教。
その団体の教祖が死刑になった。
本来、現世の悩みや苦しみから人々を救済するのが宗教。
そして、信者以外も救うのが救世主。
信ずるものが救われ、幸せになるのならば良いと思うが、信者も他者も苦しめ不幸にするなら何の意味があるだろうか?・・・。
等と幻想を現在に至るまで抱いている、青臭い人間なので、あらゆる宗教の勧誘を退け続けている。
「エリートが何故信者に?」などとメディアは報じる。
「何故信者に?」の部分が頭の中でリフレインとなり、私の中で、ただひたすらに馬鹿らしさを増幅していた。
人が救いを求める時は困った時で、心が弱っている時である。
仮にエリートだとしても同じ人。心は弱く脆い。
その隙間に容易く入り込めるのが宗教。
エリート?
確かに特定の専門分野に精通しているが、万能ではない。
経験上、エリートだから本質的に頭が良いとか、エリートだから信者にならないとは当時から思わなかった。
東大出で、東大大学院の友とは度々論争したが、私の様な無学にまともにとりあう時点でアウトと思っていたし
海外では、IQが高いエリートでも刑務所暮らしの愚か者だっている。
珍しくとも何とも無い。
かく言う私は、前述のごとく、エリートでも全く無いし、頭も良くない大馬鹿。
だが、罠にかかりそうなことが一度だけあった。
あれは数十年前。
新宿東口、今はみずほ銀行になっている辺りの路上。
商品の購買に関するアンケート等と称し、A4の用紙を挟んだバインダーを笑顔と共に目の前に突き出された。
年齢は自分と同じくらい。ミニスカートが似合う綺麗な女性だった。
暴発しそうな若さを抱えた私は、まるで盛のついた犬状態。
鼻の下を伸ばし、素直にアンケートの欄を埋める。
女性はタイミングを見計らい
「ライフスタイルに基づいた自己啓発のビデオを、30分だけ視聴すれば現金で3000円貰えるますよ」などと宣う。
女、小金、リーチが掛かった状態、これで安酒があれば上り、ビンゴである。
従順となった私は、女性の言葉を信じ、心の中で「ワンワン」と吠えながら後をついていった。
若気の至りとはいえ、全く救い難い大馬鹿な私である。
歩いて3分もしない怪しさ満載の雑居ビル。
エレベーターで5階に上がると、教習所のシュミレーターに間仕切りを張り付けた様な視聴覚シートに案内された。
既に4席中の3席は既に埋まっており、競走馬のゲートインの如く、何の躊躇いも無く残りの1席に腰を下ろす。
「聖☆おにいさん」に、アッラーを加えてギャグを引き算した様な、実につまらないアニメを見せられた。
「 虚しい!」
遅まきながら、他人に言われなくても、既に残念な自分の人生をあらためて再認識させる内容で、肝心の救いについては何も触れていない。
壊れかけた私のセンサーがようやく作動した。
遅い!遅すぎるぞ自分! 早く気付けよ自分!
商品の購買に関する意識調査 → ライフスタイルに基づいた自己啓発 → 宗教への勧誘
なんの脈絡もないトホホな流れ。
疑念が反吐となる頃には、叔父が刑事だと嘯き、会場にいた信徒の集団圧力に抵抗していた。
そこに、満を持して教祖らしき人物登場。
「あなたの前世は~」
虚勢を張り、馴れ馴れしく私の肩に手を置き、上擦った声で諭し始めた。
どの角度で物事を見ているのか、思い上がりも甚だしい。
イライラが頂点に達した私は肩にあった手を払い除け会場を後にした。
教祖という詐欺師の下で殺人を犯す。
本人の意志ではなく、マインドコントロールだという。
本当に頭が良いなら、行動する前に教祖への疑念は無かったのか。
上記は宗教ではないが、宗教同様のマインドコントロールでの大罪があり
など、宗教をベースにした大罪もある。
古今東西、上記の信者がいたが、共通していることは
他者に迷惑を掛ける反社会的信者は、進化の無い獣と何ら変りない。
どんな美辞麗句を述べても支持されない。
獣の団体を人が支持するのが愚かであるし、支持するならば、生粋の大馬鹿であると思う。
私は全く頭が良くないが、インチキ臭さを辛うじて察知できる、疑念という壊れかけた中古のセンサーがあった。
その中古のセンサーを常に情報更新し、メンテを怠らないようにしようと思う今日この頃だ。
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