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海辺のアップサイクリスト

アップサイクルとは、不要な廃材にデザイン等の付加価値を施して新たな製品に昇華させること。リサイクル、リユースの上をいく循環型環境ビジネスです。クリエイターの視点で提案していきます。

「道化の涙に映る虹」第33話

前話 upcyclist.hatenablog.com 寝ようとしても目が冴える。 夜中を三時過ぎた辺りからウトウトし、やっと眠りについた。 「パパ、今までありがとう。さようなら」 成人式の晴れ着を纏った美月は、貴男に背を向け歩き出した。 「美月、待ってくれ。本当に悪…

胞子の奉伺(ほうし)

人類の宿主は地球であり、人類は寄生虫や菌類の一つにしか過ぎない。 宿主が死ぬと寄生している生物も死ぬ。 従って、寄生する生物は宿主に害を及ぼさないものが多い。 自然破壊程度の環境破壊は、人類の環境を破壊することであり、地球の環境は破壊しない。…

「道化の涙に映る虹」第32話

前話 upcyclist.hatenablog.com どこまで芝居を続けるつもりなのだろうか。 いずれ会いたいだの、金をくれだの言ってくるだろう。 貴男は暇潰しと空しさの間で返信を続けた。 勤務を終え、ジャケットの内ポケットからスマホを取り出すとLINEの着信を知らせる…

「道化の涙に映る虹」第31話

前話 upcyclist.hatenablog.com ミラ・ジョヴォヴィッチばりの美人。 いくらウクライナに美人が多くても、この写真はやり過ぎだ。 貴男のテンションは下がり、自分からLINEする気も起きなくなっていた。 翌日の朝、貴男は身支度を整えながら、充電器に挿した…

「道化の涙に映る虹」第30話

前話 upcyclist.hatenablog.com やはり詐欺業者か…。 当初から、日本人の成りすましか、六本木辺りで働いているウクライナ人の可能性も排除していなかった貴男は、モデルの様なアンナの添付画像見た瞬間、確信へと変わっていた。 最初から出来過ぎた話しだっ…

「道化の涙に映る虹」第29話

前話 upcyclist.hatenablog.com To bittukuri こんにちは ビックリさん ペンネームは驚く方のビックリだったんですね。笑いましたよ。 何にビックリしたのですか? キエフに遊びに行く時は、是非案内をお願いします。 僕が今住んでいるのは、静岡でも東の伊…

コラム「生きることは痛みに耐えること」

他人に改めて痛々しい等と言われるまでもなく、痛みに耐えながら生きる自分。 人生は本当に辛い。 周囲の人を見てもそう思う。 心の痛み、身体の痛み。 辛くないと言う人間は、強がりか、鈍感か、本当に恵まれた者。 生きるということは生物だけの概念だと思…

「道化の涙に映る虹」第28話

前話 upcyclist.hatenablog.com あくる日の夜にメールの返信があった。 From bittukuri こんにちは(^^)こちらこそ、よろしくお願いします。返事、心からありがとう^^スゴイ嬉しかったです。私は30歳の女性で、キエフに住んでいます。 私の日本語を褒めて…

自作バッグ「季節外れのアサギマダラ」

このところ、連載小説ばかり書いているので、アップサイクリストとしてはお久しぶりでございます。 「アップサイクリストらしくないじゃないか!」というお叱りの幻聴と被害妄想があり、そのリハビリの為に今回投稿させていただきますこと予めご了承下さい。 …

「道化の涙に映る虹」第27話

前話 upcyclist.hatenablog.com 貴男はペンパルサイトにユーザー登録した。 サイトの趣旨は、あくまで幅広い文通相手を探すというのを目的としたもので、露骨に交際を求めることを禁止すると表示されていたが、交際することが本来の目的ではない貴男にとって…

「道化の涙に映る虹」第26話

前話 upcyclist.hatenablog.com ディスプレイの消えたスマホを握ったまま茫然自失となった貴男。 暫くすると、心は惨めな気持ちで大量出血を起していた。 応急処置が必要だったが、夜中の救急病院は24時間営業のスーパーしか無かった。 トールワゴンは救急車…

アップサイクルの原点

皆さんは愛着があるモノとお別れする時、寂しくなったりしませんか? 私は寂しくなります。 長年世話になったモノは、生活の一部となり、身体の一部となり、思い出などもあるでしょう。 でも、やがて古くなって、壊れたり使わなくなったりする。 それをその…

「道化の涙に映る虹」第25話

前話 upcyclist.hatenablog.com 深々としたお辞儀に、沙織の心境の変化を感じ取った貴男だった。 空白の二年。沙織に何があったのか? 寝付けずにいた貴男は、天井を見つめ当ての無い自問を繰り返していた。 決着をつけるため、沙織に確かめようとも思ったが…

「道化の涙に映る虹」第24話

前話 upcyclist.hatenablog.com あれから二年。 狭い町ゆえ、知り合いの車に遭遇することはちょくちょくあったが、沙織の車と遭遇するのは初めてであった。 二年も出会うことが無かった事実に、何故だと思う反面、素直に運命と信じても良いと貴男は思った。 …

「道化の涙に映る虹」第23話

前話 upcyclist.hatenablog.com 二日程して沙織からメールが入っていた。 「こんばんは この間はごめんなさいm(_ _)m 医療事務は初めてなので、覚えることがたくさんあってなかなか時間が取れませんでした。貴男さんに逢いたいけど、当分の間は、以前の様に…

「道化の涙に映る虹」第22話

前話 upcyclist.hatenablog.com 沙織が退職した後、販売部長とパートが売店業務を行っていたが、三週間後には新入社員がレジに就いた。 沙織の姿が売店に無くても、プライベートで繋がった貴男には寂しさは無かった。 しばらくして、沙織に新しい勤め口が決…

コラム「森羅万象の入門書」

お題「森羅万象」森羅万象の入門書は国語辞典である。『広辞苑』や『大辞林』があればなお望ましい。 国語辞典を端から端まで本気で読めば、暇が潰せるだけでなく、一万冊の書籍を読破した達成感が得られる。更にそれぞれの単語の関連性を発見し宇宙を知るこ…

「道化の涙に映る虹」第21話

前話 upcyclist.hatenablog.com 日頃から眠りが浅い貴男は物音に敏感で、自分のものではない微かな寝息に目を醒ました。 そうだ、沙織は泊ったんだ。 昨日のことを反芻(はんすう)するが、断片的な記憶に不安が募る。 だが、スッピンの安心しきった寝顔を見…

「道化の涙に映る虹」第20話

前話 upcyclist.hatenablog.com 「うちの方は価値観のズレ。それが大きくなったことかな。そして引き金になったのは、経営していた会社の倒産。よくある話だよ」 「でもお子さんいたんですよね?やり直すとかは」 「もう大きいし、それに仕事に熱中するあま…

「道化の涙に映る虹」第19話

前話 upcyclist.hatenablog.com 貴男は続けざまにシェーカーを振るう。 トップを外したシェーカーから、氷の入ったワイングラスにペールピンクの液体が注がれる。 「それは何ですか?」 「ラムベースのイスラデピノスという名のカクテルだよ。スペイン語でパ…

「道化の涙に映る虹」第18話

前話 upcyclist.hatenablog.com 貴男は、棚から、チェリー・ブランデー、ブランデー、オレンジ・キュラソーのミニチュアボトルを取り出しカウンターに並べる。 「可愛い」 香水の小瓶でも見るように、ミニチュアボトルを一本、一本持ち上げて見つめる沙織。 …

「道化の涙に映る虹」第17話

前話 upcyclist.hatenablog.com 「どんなお店ですか?」 「候補は二軒あって、一軒目はセルフBAR〔自分勝手〕で、二軒目は〔Bar廃屋〕って店なんだけど」 「フフッ、何ですかそれ、どちらもふざけた店名ですね。全然おしゃれな感じじゃない。却下です」と笑…

「道化の涙に映る虹」第16話

前話 upcyclist.hatenablog.com 「さあ、そろそろ二次会に、と言いたいところだけど実は代行頼んじゃったんだよね」軽く舌を出す奈緒美。 「そうなんだ。ありがとう」 と返す沙織。 「もうそんな時間?」 貴男のパテックは、21:41を指していた。 奈緒美は、…

「道化の涙に映る虹」第15話

前話 upcyclist.hatenablog.com 沙織が有休消化に入る前日に、奈緒美、有里子、貴男の参加で、ささやかな送別会が開かれることになった。 「ここ行ったことある?」 PCのディスプレイを見ている貴男の視界に、脇から入り込んできた奈緒美はキーボードの上に…

「道化の涙に映る虹」第14話

前話 upcyclist.hatenablog.com 貴男が事務所からフロントに戻ろうとした時、奈緒美が小走りで近づき 「ねぇ知ってる?」 小声で聞いてきた。 「何が?」 貴男が尋ねると、奈緒美が耳打ちし「沙織のこと聞いた?」 「商品コードの登録ミスの件でしょ?知って…

「道化の涙に映る虹」第13話

前話 upcyclist.hatenablog.com 勤務を終えて自宅に着いた貴男は内ポケットからスマホを取り出す。しかし、着信は無かった。 ジャケットを椅子の方に投げ、スマホを冷蔵庫の上に置き、中から500mℓの缶ビールを取り出した。 プルトップを開けて一口飲むと 「…

「道化の涙に映る虹」第12話

前話 upcyclist.hatenablog.com 10万単位で金額が違っていた。明らかに単なるレジの打ち間違いではなかった。レジは古い機種で、仕入れ管理の社内LANと切り離され連動しておらず全てが手入力だった。 事の次第を求められ、沙織は社長室に呼ばれた。 役員を前…

「道化の涙に映る虹」第11話

前話 upcyclist.hatenablog.com 「じゃあ調整は後でね」 次の約束を取り付けた貴男は、グラスに残ったボルドーのメルロを一気に飲み干すと 「確か予定だと今日バス10台入っていたよね。明日、早いからそろそろ帰ろうか?」 バスの話など無粋だと思ったが、…

「道化の涙に映る虹」第10話

前話 upcyclist.hatenablog.com 男と女など、所詮寂しい動物で、シチュエーションさえ整えばどうにでもなる生き物。 互いに望む形をリアルタイムで探っている。 男は失敗を恐れ、女はリカバリーを冷静に、いや、ムードで見ている。 ラ・メルの窓辺にある筈の…

コラム「エゴとは」

エゴ 「エゴ」という単語を聞いて、どんな印象を受けるだろうか?殆どの人は我がままだという意味合いで捉えるだろう。 我がままの意味で捉えがちである。 egoismつまり利己主義の解釈からそうなる。 本来の意味は「自我」であり。他者との違いを認識した時…

コラム「AIは愛となるか?」

吾輩は愚者である。 何故かと言えば、歴史に学ばず、経験に学ぶからである。 ビスマルクが涙する弩級の愚者であることは否定できない。 知識ではなく経験重視。 今回、そんな私の心をくすぐったのはAI(人工知能) 人工知能とやらを経験してみたい。経験も無…

「道化の涙に映る虹」第9話

前話 upcyclist.hatenablog.com 沙織の車を先に帰した貴男は、中古のトールワゴンに沙織を乗せ、ラ・メルに向かった。 無残にも、オレンジ色だった夕暮れが閉じるのは呆気なく、ラ・メルに着いた頃には、貴男が事前に思い描いていたシチュエーションは消えて…

コラム「廃材より廃人(ポンコツ)である私のアップサイクル」

「俳人」と言いたいが「廃人」寄りの私。 本当にアップサイクルが必要なのは廃材ではなく、自分自身だと気が付くのに長い年月を要した。 頭の中にあるものをデザインしてアウトプットする。その表現によって自分自身に価値を付加し、再構築することで新たな…

「道化の涙に映る虹」第8話

前話 upcyclist.hatenablog.com 何とかフルラウンドが終わった貴男。 沙織は幻滅しているに違いない。 想定外の出来事に翻弄されて内心穏やかではなかったが、そこは経験が浅い青年ではない。頭の中ではリカバリーを考えていた。 貴男は、会社が倒産しても最…

「道化の涙に映る虹」第7話

前話 upcyclist.hatenablog.com 貴男は、左手に嵌めたグローブの裾を手首側に強く引っ張り、グー、パーを繰り返しながら手にフィットさせた。 カートに積んであるゴルフバッグからドライバーを抜き、ティグラウンドに立って素振りを一度、そして、グリーン上…

自作動画「栗清ます」

「道化の涙に映る虹」第6話

前話 upcyclist.hatenablog.com 疲れた体を引き摺り家に帰ると、それに合わせるかのようにスマホの着信メールを知らせる青い光が点滅した。 沙織はメールが苦手、ましてやLINEなど誰ともやらないと奈緒美は言っていた。 LINEの着信を知らせる緑の点滅ではな…

「道化の涙に映る虹」第5話

前話 upcyclist.hatenablog.com 仕事上、作り笑顔は絶やさない貴男。だが、真の笑顔は失ったままだった。 その浅黒かったかつての笑顔 幼い娘はアンパンだと言って喜び、別れた妻は子熊のようだとからかった。 思い出の詰まった東京の家から身を剥がすように…

コラム「発想の転換とは」

森羅万象の捉え方を変えること。 新しい見方、別の観点、新たな価値の創生、常識、定説を覆すことを意味する表現。 いつの時代でも、困難な現状を打破するために必要な考え方である。 続きを読む このキーワードを含むブログを見る <発想の転換が意味するこ…

「道化の涙に映る虹」第4話

前話 upcyclist.hatenablog.com 貴男は帰宅すると「よろしくお願いします」と印刷された沙織の名刺を裏返し、記載されたアドレスに「ありがとう(^o^)/」を送信した。 その日の返信は無く、三日後の夜に「どういたしまして」とだけ返信があった。 沙織の降格…

「道化の涙に映る虹」第3話

前話 upcyclist.hatenablog.com 食事会で世間話のネタは尽きてしまった。駅まで15分の帰り道、貴男は何を話せば良いか思案に暮れていた。 「あのー、できたらメールアドレス教えて欲しんだけど」唐突過ぎたが他に言うべき言葉が浮かばなかった。 「私?」…

「道化の涙に映る虹」第2話

前話 upcyclist.hatenablog.com 貴男は、遅い夕食を終えると、安物の国産ウイスキーを煽りながら、シンクに溜まった食器を洗い、ネットで拾ったクラブJAZZリミックスを聞き流すのが日課となっていた。そして、杯を重ねながらSNSに移行するのが目下の趣味とな…

連載小説「道化の涙に映る虹」 - Tragic love - 第1話

海沿いの道路は、連休でもないのに上下線とも渋滞していた。観光地に暮らしているとはいえ貴男は苛立ちを募らせていた。 何とは無しに反対車線に並ぶ車を見た。 焦点が定まるにつれ我が目を疑った。車種と色、見覚えがあるナンバー、2年前に別れた沙織の車だ…

自作クリスマスツリー「壊れた折り畳み傘を見て、前からやってみたかったこと」

巷ではクリスマス商戦 の真っ只中なんですが、私が興味無いせいか、商戦というわりには、相変わらず毎年活況を実感してないのであります。 季節商品の展開時期も崩れて、クリスマス前に迎春の正月飾りまで出てくる始末。それはやり過ぎだろう、と思わずツッ…

自作イルミネーション「ハロウィンは終わったけれど 紫✕オレンジ」

日本人はイベント好きでハロウィンも定着しつつありますが、そのせいで、関連グッズが売り場から消えても、私の頭にはあの配色の残像がこびりついています。我が家ではハロウィンの装飾などしないのにも関わらず…。 倉庫から紫色のビニールホースの切れ端を…

自作間仕切り「仕切り上手は○○上手」

傷と汚れがひどくなった、床のクッションフロアを張り替えることにした。 張り替えは業者に頼む人が多いかと思うが、DIY精神が旺盛な私の思考形態は、まず自分で出来ないだろうか?から入っていく。それでダメならば業者となる。 迷わずホームセンターに直行…

自作シャンデリア「ココロの洗濯が必要なのだが、その前に」

一人で外食中、疲れたココロでボーっとして、うっかりジャケットの袖にシミをつくってしまった。こりゃ大変だクリーニングが必要だ。数日後、クリーニング屋に受け取りにいき、自宅に着くと、クリーニング溶剤のニオイが残るジャケットを袋から取り出し、ク…

自作壁掛けミニホームバー「昨日はBARの雰囲気で終わったので」

今日はBARつながりのネタで 私の住んでいるところは都会ではないので、外に飲みに行っても帰りはタクシーか電車、というわけにもいかず、結局代行を呼ぶはめになり必然的に家飲みが多くなります。でもミニマルとは似ても似つかない殺風景な部屋、あるいは生…

自作壁時計「面白い、楽しいアップサイクルの世界」

私は海の近くに住んでいるのでよく浜辺を散歩する。 波打ち際に漂着物を探し、アップサイクルに使えそうなモノを少しだけ持って帰る、言わばごみ散歩である。 波打ち際は、歓迎されない漂着物の方が圧倒的に多く、この一見清掃活動であるかのような、曖昧で…